初回受験で合格しました

公開日:2017.10.6
更新日:2018.6.26

第48回気象予報士試験に合格することができました。
初めての受験でいろいろな壁にぶつかりながらも、あきらめずに良かったと思います。

今回の受験と学習方法などを振り返ってみたいと思います。

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第48回気象予報士試験について

気象業務支援センターが発表した試験結果資料をベースに、実施状況を見てみましょう。

受験者数2,962名に対して合格者数は145名で、合格率は4.9%でした。

受験番号(6桁)には次の意味合いがあると推定している方がいます。 →こちら

一番左の桁: 試験会場 「1」札幌、「2」仙台、「3」東京 など
二番目の桁: 受験科目 「0」免除なし、「1」専門免除、「2」一般免除、「3」学科免除
三桁目以降: 個人番号

私の受験番号は「30××××」でしたので、「東京会場の免除なし」となります。
ちなみに、東京では駒場会場は免除なし受験者の会場のようです(東京は駒場と吉祥寺の2会場)。

さて、これが正しいと仮定すると免除なしの合格者(2桁目が0)は17名しかいないことになります。
私が受験した駒場会場では約千名の受験者に対して免除なし合格者は11名なので、合格率は1%程度です。
数字上、「免除なし受験者」には厳しい試験と言えそうです。

しかし後述するように、合格率を気にする必要はありません。
自分の立てた計画をしっかりこなして試験場に臨み、普段通りの力を発揮するだけです。

合格基準は次の通りでした。


学科試験(予報業務に関する一般知識):15 問中正解が 11 以上

学科試験(予報業務に関する専門知識):15 問中正解が 11 以上

実技試験:総得点が満点の 63%以上



実技試験は70%が合格ラインの目標とされているので、今回は問題の難易度が高かったのかもしれません。

合格通知が届いてから初めて自己採点をしてみました。
すると一般知識、専門知識ともに合格ラインすれすれの11問正解でした。

ちなみに今回は最年少記録と女子最年長記録が樹立されたとメディアが報じています。
→こちら

なるほど、マスコミはそういうところに関心があるのかと、妙に納得してしまいました。

11歳の子は4回目の受験で合格したそうですが、どこまで理解して合格したのでしょうか。興味深いところです。


気象予報士試験は難しいのか?

気象予報士試験の合格率は4%程度です。
あの司法試験ですら20%以上、税理士試験でも15%です。それと比べて、気象予報士試験の合格率はなぜこんなに低いのでしょうか。

試験会場に行ってその理由の一端が分かりました。

パッと見た目の平均年齢が高い!この試験は中高年には厳しい試験です(老眼者には特に!)。専門知識の試験が終わって帰ってしまったお姉さん、なぜか実技1が終わって帰ってしまったおばさん。休憩時間に基本レベルの参考書を開いているおじさん。

明らかに勉強していないと思われる人が多いんです。「免除なし」の駒場会場だから、余計そうだったのかもしれません。真剣に準備をしてきた人の割合はかなり低いのではないかという印象を持ちました。

気象予報士試験の過去問の模範解答を見ても難しい内容は書かれていません。ですから、一般に言われているような難しい試験ではないと確信していました。しかし多くの方が合格するまでに2〜3回受験され、10回以上受験される方もいると聞きます。

その理由を考えてみました(ここでは実技試験を対象としています)。

①教材に良書がない

必要な知識や入手しにくい資料の読み取り方を懇切丁寧に説明した書籍はありません。市販の参考書は基本的に過去問の解説書です。これでは丁稚奉公のようにひたすら時間をかけて過去問を繰り返すしかありません。

気象予報士試験は過去に出題されていない重箱をつつく傾向があります。運悪くそうした出題にぶつかってしまうと合格できないのも当然です。


②入手困難な資料に基づいた出題がある

エマグラム、過去のウィンドプロファイラ、過去のレーダーエコー図、等値線(等高度線、等温線)、過去の気象情報など、一般に入手困難な資料が出題されます。もちろん気象解析にこれらが必要なのは分かりますが、だったらもっと情報を公開して受験生が利用しやすい環境を整備してもらいたいです。


③試験の性質に対応した対策ができていない

これは気象そのものとは関係しませんが、筆記試験であれば解答をどのようにまとめるのか、その対策が必要になります。試験時間は短いので答案を練っている余裕はありません。文字数制限があるので論文を書く時のような論理性は求められませんが、いかに要領よくまとめ上げるか文章力が問われます。

参考書にそのような解説がないのと同時に、多くの受験者がそのような対策をとっていないものと思われます。


私の学習法とスケジュール

昨年の12月に学習をスタートしました。
一般知識、専門知識まではスケジュールを組んでそれをこなせば良かったのですが、実技については学習スケジュールを何度組み直してもその通りにこなせずに苦労しました。

11月末
主要な参考書を購入。

12〜1月
一般知識の参考書を2回通読。

2〜3月
専門知識の参考書を2回通読。

4月下旬
実技参考書1。

5〜8月
実技参考書2を中心に実技参考書3、4を併用。
7月からは一般知識、専門知識の問題演習を隔日に実行。記憶物を開始(天気記号、台風の大きさ・強さなど)し、自前のチェックリストの作成にも着手。

【実技参考書】
1:らくらく突破 気象予報士かんたん合格テキスト(技術評論社)
2:ひとりで学べる!気象予報士実技試験 完全攻略テキスト&問題集
3:気象予報士試験 速習テキスト 実技編(オーム社)
4:気象予報士試験 模範解答と解説(東京堂出版)

実技の問題ではある気象現象が観察された時に、要因として考えられる選択肢の中からどれが最も適切であるかを選び、今後どのように推移・変化していくかを予測します。したがって、低気圧の消長の条件、雪が降るときの条件、雨が降る条件など、どのような時にどのような現象が発生するのかを整理して理解している必要があります。

また、エマグラムやウィンドプロファイラ、レーダーエコー、降水量など、解析に必要な情報の読み方も基本知識としてもちろん必要です。

しかし、必要な知識を体系化して解説してくれている書籍は残念ながらありません。皆無です。

私は気象予報士関連の書籍は50冊以上購入しましたが、1冊として満足できるものはありませんでした(写真はその一部です)。それが本サイトを作るきっかけにもなったわけです。

参考書に投じたお金でもっと他のことができたはずなのに・・・(泣)。

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それでも合格はできましたが、とても遠回りをしました。
過去問は25問ほどを延べ80回程度繰り返しましたが、2回目、3回目と繰り返す過程で自分がとんでもない誤解をしていることに気づくことがありました。


モチベーション

9ヶ月にわたり勉強を続けましたが、4月にスランプになり参考書を開くのが嫌になりました。
参考書に書いてあることが何度読んでも分からず先に進めなかったのがその原因です。一ヶ月ほど勉強が手につきませんでした。

また7月、8月と暑い中、実技の問題を何度繰り返しても時間切れになったり意味が分からなかったりしました。

それでも学習を継続できたのは、「一回で合格するぞ」という気力があったからだと思います。

自分の性格上、科目合格しながら時間をかけて受験していくということはできない、やるなら短期決戦で行くしかないと思いました。

講習会に参加すると受験ズレしたような方もいて(そのような方もなりたくてなったのではないでしょうが)、そうなる前に足を洗いたいと強く思いました。

独学を続ける自分にとって、TBS系列「ひるおび!」の森気象予報士のお天気コーナーは学習の参考になりました。この番組は気象解説に力を入れていて、日によっては40分も時間を割いています。一般視聴者はそこまで気象に関心ないんじゃないか?と杞憂するぐらいです。

MCの恵俊彰と森気象予報士のボケとツッコミのような掛け合いも面白いし、模型を使った説明は分かりやすく、自分にとってはeラーニングの役割を果たしてくれました。とは言え7月ごろからは学習時間が不足してきて、この番組すら見れなくなってしまいました。

平日昼間のワイドショーは他局もかなり詳しい気象解説をしてくれています。テレビ朝日系列の「羽鳥慎一モーニングショー」も時々、意外な特集を組んでくれます。

ハードディスクレコーダーに録画して、帰宅後に見直すのをお勧めします。


合格したときの気分

合格発表は、郵送と気象業務支援センターのホームページで行われます。
ハガキが来るならそれを見てドキドキしたいと思い、普段よりなぜか配達が遅い郵便をイライラして待ちました。

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ハガキ表面には「配達指定日 10月6日(金曜日)」と書かれています。ちゃんと合格発表日に届くように配慮がされているんですね。

圧着ハガキの四隅の下に「ゆっくり開いてね」という矢印が書かれているのでそこから開けると何も書いてありません。一番上に「気象予報士試験合格証明書」と見出しがあり、合格証明書番号が記載されています。

思わず「やった〜ぁ!」と小躍りしてしまいました。
その思いは喜びというよりも、「この夏の辛い学習を繰り返さなくて良いんだ」「周囲に受験宣言してしまった以上、何とかなって良かった」という安堵感によるものでした。


さいごに

試験には合格しましたが、未だに理解できていないことや消化できていないことがたくさんあると自覚しています。これからは自由に歩けと言われても、まだ歩き方が分かっていない状況で不安でいっぱいです。

本サイトは自分が知りたいことがどこにも解説されていないので自分で解説を作ろうと思い、試験勉強中に始めたものです。ですから受験生目線で、これから学習される方の役に立てると思います。しかし自分の実力不足で、数十ページが作成中のまま未公開となっています。

登山でも、山を歩いていると時はどんなコースを歩いているか分からなくても、ピークに達すると歩いてきた道がくっきりと分かることがあります。

これからさらに上を目指すことで理解できることも増えてくると信じ、合わせてサイトも充実させていきたいと思います。

【関連ページ】
受験レポート
気象庁に予報士の登録申請に行ってきた!
気象予報士の賞状が届きました


(追加)効果的な勉強法について

自分は本当に勉強が苦手で、落ち着いて一冊の本に取り組むということができないたちです。

大学受験の頃から参考書を一冊買って、ちょっとでも分からないことがあると、また別の参考書に手を伸ばすということを繰り返していました。勉強をしている時間より本屋で参考書を漁っている時間の方が長かったかも・・・。(^^;

そんな性格なので、気象予報士試験の学習でも、手当たり次第に参考書を購入してしまいました。「それでも一回で合格できたんだから良いじゃないか」と言われればそうなんですが、少し後ろめたい気がするのです。どうせならもっと省エネ型で臨みたいものです。

さて、東大法学部を首席で卒業、在学中に司法試験に合格、財務省に入省するも退官し、現在はフリーの山口真由さんという方がいます。最近はよくテレビにも出演しているので、ご存知の方もいるでしょう。

この方の勉強法は、一冊の教科書を7回読む、という単純なものなんです。ただし、コツが二つあります。



1. 学ぶべき内容を全て網羅した一冊のテキストを選ぶ

2. 自分が決めた一冊を反復・継続して読み続ける


あれもこれもと読み始めると身につかないので、一冊の本でじっくりと基本を習得する。そのためには、全ての分野を網羅した一冊を選びなさいということです。

山口さんの本を読んで、自分は真逆をやっていたな!と膝をうちました。確かに1回目に読んでいて分からないことでも2回目、3回目とやっているうちに理解できることってあります。

でもそのためには、飽きっぽい性格をどうしたら直せるかも教えて欲しいな・・・と思います。(笑)

勉強法に自信のない方は、学習を開始する前に山口さんの本に目を通すのも良いと思います。


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この記事へのコメント

nut
2018年09月06日 01:05
初めまして。最近気象予報士の資格取得に興味があり、色々調べていたところこのブログに辿り着きました。詳しい勉強の様子が非常に参考になりました。ちなみに、1日何時間、また週に何日程度勉強なさっていましたか?大体で良いので教えていただけると嬉しいです。
2018年09月06日 19:28
nutさん、はじめまして。

私の勉強体験についてご紹介させていただきます。

【学習期間】
9ヶ月(2016/12〜2017.8)
【学習スケジュール】
前半4ヶ月・・・一般と専門(参考書を3回読む)
中間2ヶ月・・・実技(参考書を2回読む)
後半3ヶ月・・・実技演習、一般・専門演習、サブノート作り
【学習時間】
試験直前2ヶ月・・・6〜7時間/日
時間は目安とご理解ください。時間よりも、中身の濃い学習をすることが大切だと思います。

気象の学習は初めてだったので、とにかく頭の中を気象で「洗脳」するつもりで毎日学習を基本としました。
でも嫌気がさして、勉強しなかった日もありました。

【最後に】
受験1回目に一般と専門を合格し、2回目で実技を合格する計画的な「2回受験」の方もいます。
一年間、濃密な学習を続けるのは大変なことですし、2回で合格する保証もありません。
ぜひ一発合格を目指して頑張ってください。短期集中が合格のカギです。

学習方法や疑問は、一人で悩まずに経験者に相談するのが近道です。
また何かありましたら、私にできる範囲内であればご協力いたします。

気象はとても奥が深く、関心が広がっていく楽しみがあります。
ぜひ気象予報士の合格を目指してチャレンジしてください!
やなぎー
2019年08月12日 20:44
気象予報士の資格を取ろうか考えています。
教科書を読むと書かれていますが、普通に何回も読めば覚えられるものなんですか? コツがあれば聞きたいです。
2019年08月13日 06:45
こんにちは。
事前知識がなくても、参考書を読むだけで試験に合格できるのか不安ですよね。
私も天気図をまったく読めない状態から勉強を始めました。

まずは受験日を決めましょう。

試験は毎年1月、8月です。
今は8月ですので、来年の8月受験を目指すと万全の準備ができます。

そして、一発合格を目指しましょう。
受験テクニックとしては2回で完全合格などもあるようですが、受験勉強は短い方が良いですよね。

受験日を決めたら、その日に向けた逆スケジュールを作ります。
参考書を何回読むのか、問題集を何回解くのかを決めましょう。
例)
来年の3月までは一般と専門の参考書を4回読んで、問題演習を行う。
4月から6月までは実技の学習と問題演習を行う。
7〜8月はまとめを行う。

参考書は2〜3回読む程度では、理解できない箇所がいっぱい出てきます。
分からないことだらけで、1回目を読み通すだけでもかなり体力と精神力が必要です。

頭がまだ気象ロジックに慣れていないので当然のことです。

この段階では分からないところはあまりこだわらずに、マーキングだけしておきます。
2回目、3回目と回数を重ねるごとに、読みやすさが増していきます。

しかし、合格の鍵は問題演習にあります。
問題を解くことで、自分の理解力や知識の程度を確認できます。
間違える都度、それを埋めていく作業がとても大切です。
この過程で自分だけのサブノートを作っていくと、試験直前にも役立ちます。

この段階でもう一度参考書を読んでみると、以前には分からなかったところが分かるようになってきます。
これまでの学習の成果で、頭の中の知識が色々に結合して気象ロジックが出来上がってくるからです。

どんな資格試験でも、このように学習プランを作成し実行管理をすれば必ず合格できます。

ちなみに、一般・専門と実技の間には、大きな落差があります。

一般と専門は知識レベルの内容なので、参考書を読み込むことで対応できます。
しかし、実技は天気図解析の回数を重ねて、経験を積むことが大切です。

【気象センスを磨く】
顕著現象が発生した時の天気図を解析することはとても有効です。

ある地域で大雨の報道があった時に、なぜそれが発生したのかを天気図から追ってみましょう。
前線があったのか、下層の暖湿気が入ってきたのか。
ケースバイケースですが、ご自身で考えてみる練習を積んでみてください。

そして、知識は日頃からこまめに確認しましょう。
夏の季節に「超大型の台風が・・・」とあれば、その定義を都度確認します。
「沿岸で大しけ」とあれば、「しけ」「大しけ」「猛烈なしけ」の定義を確認しましょう。

疑問などがあれば、またいつでもお尋ねください。
ちわわ
2019年08月28日 12:41
ブログ拝見いたしました。大変努力家の方で頭が下がるばかりです。
例えば、通学講座に9月に入学をして1月に一般・専門の合格を目指し、8月に実技の合格を目指すことは可能でしょうか。
あくまでも目安かとは存じますが、必要勉強時間数から見て上記のスケジューリングからは厳しいと思われますか。
(正直、来年8月は東京オリンピックもあることもあって、短期集中で全て1月合格を目指したいのが本音ですが、さすがに今から4カ月では難しいかと存じます)
2019年09月02日 20:13
ちわわさん、丁寧なご質問をありがとうございます。
お返事遅れて申し訳ありません。
現在準備しておりますので、少しお待ちください。
2019年09月03日 05:29
「9月から勉強を開始して、来年1月の一般と専門に合格できるか?」
というご質問ですね。

私は「可能」だと思います。

目標時期を定めることで、学習から逃げたくなる自分に縛りをかけることができます。ただし、短期間で合格を目指すには効率的な勉強が必要です。

少し長くなりますが、以下は勉強の合間にお読みください。

◼︎学科「一般知識」
この教科は気象理論の基礎となるもので、実技でも必要となります。しかし、一般知識で学ぶ内容は理屈がバラバラに与えられて、実際の気象現象にどう反映されているのかが分かりにくいため、無味乾燥として学習しづらい分野です。

次の本質を意識しながら学習されると良いと思います。「一般知識」では、この2点を構成する理屈を学びます。

・空気の性質
暖かい空気は密度が軽く上昇していきます。また、高度が上がると大気の温度と気圧は低下します。したがって、暖かくて密度が軽い空気は上昇すると温度が下がり、水蒸気が飽和して雲ができます。この過程で空気は潜熱を放出します。

・天気悪化のメカニズム
降雨や落雷は雲(特に積乱雲)により発生します。雲がなければ天気は崩れません。
雲が発生するには、暖湿気の流入、上昇流の発生、上空の正渦度移流が満たされることが必要です。

ちなみに、学習図書として「一般気象学」を挙げる方が多いですが、読むのに時間がかかることと気象入門者にはハードルが高いため、短期学習にはお勧めしません。私は「イラスト図解よくわかる気象学」(ナツメ社)を1回だけ読んで、全体像をつかみました。

◼︎学科「専門知識」
・ 気象現象のメカニズム
気象には毎年繰り返す現象があり、予報士試験では「テーマ」とか「主題」と呼ばれています。それぞれの分析は実技の分野になりますが、発生メカニズムを理解しておくと「専門知識」でも大いに役立ちます。
(例)
温帯低気圧、寒冷渦、台風、梅雨、高気圧(縁辺流)、大雪

・ 暗記物
専門は暗記モノが多い教科です。「こんなの不要だろう」と思えるようなものまで、しっかりと覚えておきたいです。
1〜2回目の学習ではまだ覚える必要はありませんが、「どれを覚えなくてはいけないか」を確認しながら覚える対象を特定しておきます。試験の1〜2ヶ月ぐらい前に集中的に暗記して、以後は忘れないようにこまめにチェックしてください。
(例)
大気現象・水象の定義、天気予報ガイダンスの特性、台風の強さと大きさの定義、気象の警報・注意報の定義

・専門図の見方
気象関連の図や画像は種類が多く重要な情報が含まれていますが、その読み取り方はどこにも解説されていません。
ちわわさんは予備校に通われるとのことですので、ぜひご自身で事前学習をされて、過去問題で出題された図から何が読み取れるのかを講師に質問して吸収してください。
(例)
気象衛星画像、高層天気図(FXJP, AXFE)
500hPa高度および平年偏差http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/db/diag/db_hist_jun.html
週間予報支援図(FXXN519)、週間アンサンブル予想図(FEFE19)、週間予報支援図(アンサンブル)(FZCX50)
ウィンドプロファイル、レーダーナウキャスト、

◼︎学習法について知っておきたいこと
・複数科目の学習法(シリアルかパラレルか)
学生時代、試験前に複数の教科を同時に準備したことがあると思います。
例えば2教科、AとBがあったとします。Aを学習した後にBを学習するのを「シリアル式」、AとBを同時に学習するのを「パラレル式」と命名します。

パラレル式は同時に2教科を学習するので、全体の進度が遅くなります。
一方、シリアル式はAを学習後にBを学習すると、先に学習したAを忘れてしまうリスクがあります。

どちらでいくかをご自身で決める必要があります。
私はシリアル式で一通り学習をした後、試験直前1ヶ月はパラレル式でブラッシュアップをしました。

・1回目のハードル
テキストにしろ、問題集にしろ、最初の1回目の学習がとても時間がかかります。
分からないことだらけで不満が溜まったり、挫折しそうになったりもします。
この1回目を極力早く乗り越えることが大切です。

コツとしては、細かい不明点にはこだわらず、下線を引いておくぐらいにして、とにかく1回目を通読することです。
分からないところは先に進んだり、問題演習を繰り返したりすることで解消されていきます。

---
長くなってしまいました。
学習には辛い時期もありますが、「合格する」という目標は明快です。
一歩ずつ進んでいくことで、必ず達成できます!

また分からないことや不安点などがあれば、お待ちしています。
ちわわ
2019年09月13日 12:48
ご親切に回答いただきまして誠にありがとうございます。
丁寧すぎてもはや感動レベルです!!

度々失礼いたします。
次期試験をめざすと、実技がお試し(一般・専門は本命)受験となりそうですが実技向けとしてはどの程度のパワーバランスで向かえばよろしいかと思われますか。

とうとう、入塾と勉強開始決定しました。(一般・専門のみ)
いただいたコメントを含めてアドバイスいただいたことを、多く参考にしていきたいと考えております。

また、私は次期試験までの余裕がないのもあり、やむなくパラレル型を選択せざるを得ないことにになるかと存じます。

よろしくお願いいたします。
2019年09月17日 13:33
「今度(1月)の試験では一般と専門の合格を目指し、実技はその次の回(8月)で合格を目指したい。今の時点で、実技はどれぐらいの力を入れて勉強するべきか?」という趣旨のご質問ですね。

2回で合格を目指すのであれば、1月の試験が終わるまでは実技の勉強に手をつけない方が良いと思います。

1月の試験まであと4ヶ月。その間に学校にも通うということであれば、ご自身の学習時間はかなり限られます。中途半端に実技の学習をするのは精神的にも良くありません。手を広げずに限られた教材で、徹底的に学科を学習することをお勧めします。

さて、直近の第52回を含めて過去の問題を少し見てましたが、正直、参考書の学習だけで確実に突破するのは難しいです。

その理由は単なる知識レベルではなく、実務レベルに近い分析力や知識が求められるからです。参考書の内容を習得することを前提に、さらにやるべきことについてアドバイスを2つ、考えてみました。

1)天気図解析を日課とする

資格取得後に痛感するのは、天気図を読んだ経験があまりに少ないことです。天気図は読めば読むほど、「勘」が備わってきます(ちなみに、気象庁では「天気図を3千枚描かないと一人前の予報官にはなれない」と言われた時代もあったそうです)。

1年分の季節の移り変わりを見るだけでも、天気図を見ただけで「場」を把握する力が養われます。今日から読み始めれば、来年8月の受験時にはほぼ1年分を見たことになります。

例えば、第52回の「専門知識」問10は3つの異なる日の500hPa高度・渦度解析図に対して、地上における気象状況の説明文を対応づける出題でした。ここで梅雨時期の日本上空の500hPa高度や渦度極大値の分布が分かっていれば、選択肢を絞り込むことができます。

※問題と解答は気象業務支援センターのホームページからダウンロードできます。
http://www.jmbsc.or.jp/jp/examination/examination-7.html

天気図解析は時間のかかる作業です。慣れなければなおさらです。毎日は無理でも、解析回数が多いほど経験値が増します。天気図とともに、朝9時の気象衛星画像(赤外、可視、水蒸気)をダウンロードして、天気図と照らし合わせて解析してみてください。

根気の必要な作業ですが、これが予報士の本来の作業です。(^^

解析方法は本ブログの「天気図解析の練習」を参考にされてください。

2)気象庁のホームページを活用する

参考書に書かれていることは必要最小限の知識です。実務レベルとのギャップを埋めるには、気象庁ホームページを活用するのが最善です。

例えば「一般知識」では気象業務法関連の出題が4問あり、合格するには4問を全て正解することが必須です。参考書は業法の一部を抜粋しているだけですが、これだけでは4問正解は保証されません。

気象測器の出題を例にとれば、検定制度の目的や測器ごとの検定の有効期間などの知識も必要です。これは気象庁ホームページで解説されています。

ここを漁ると色々出てきます。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/shinsei/kentei/index.html

あるいは、予報業務の許可申請や変更認可について法令を丸暗記しようとすると頭が混乱します。これは実際の申請書を見るとイメージが湧きやすくなります。

こちらには申請事例の掲載された手引きがあります。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/minkan/kyoka.html

気象庁ホームページの右上にある検索窓で検索すれば、目的の情報がある程度絞り込めますので、どんどん活用すべきです。

学習時にはじっくりと読み込んでいる余裕はないので、出題に関係しそうな部分をスキャニングしたり穴埋め問題を自作するなど、サブノート作りがお勧めです。

慎重に取り組まれているようですので、あとは計画を着実に実行するだけです。

また不安や疑問があればどうぞ!
やなぎー
2019年12月10日 14:20
お久しぶりです。
なんやかんや忙しく11月からやっと勉強し始めました。目標としては8月受験で、3月までに一般と専門の参考書を3周しようと思いやっと一般は1周ひ、専門は半分までいきました。ここで、一般の内容が日々薄れていってしまうので専門の参考書を読むのに並行して一般の問題を解いていった方がいいですか? 問題集解く上でアドバイスがあればよろしくお願いします。
2019年12月10日 20:48
はい。一般の問題演習をやった方が良いと思います。

問題に取り組むことでどこまで理解できているかが確認できます。
またテキストレベルの内容と試験問題で問われる内容のギャップも早めに認識することが必要です。
参考書レベルの知識がそのままの形で出題されるわけではありません。
このギャップを埋めるのには意外と時間がかかるので、早く取り掛かることが最善の策です。

問題は良い問題集があるか、ということです。
私は「’15-‘16年版 ひとりで学べる!気象予報士試験 完全攻略問題集」(ナツメ社)を使いました。
ボリュームがあり解説もそこそこ丁寧だったのですが、その後改定されずに中古でしか入手できません。

あとは「気象予報士試験精選問題集」(成山堂書店)ですね。
これは少しボリュームが足りなくて解説も不足がちですが、前書が入手できなければこれしかないでしょう。

参考書と同じで、問題集も早めに1回をやり通して、自分の苦手分野を見つけてください。
そこを時間をかけて、じっくりと潰していくことが大事です。

なお、法規は得点源です。事業法を覚えているだけでは満点に届かない可能性があるので、
この前の回答でもお答えしたように気象庁HPで情報を整理されてください。